つるたスチューベンなど3品が地理的表示(GI)に登録

ごぼう

 20日農水省は、菊池水田ごぼう、つるたスチューベン、小笹うるいを地理的表示(GI)として、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)に基づき、登録(登録番号第74号から第76号)したと発表した。

 地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するもの。日本では平成27年6月1日「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が施行され、「地域ブランド産品」の品質を評価し、産品の名称である「地理的表示」を知的財産として保護していくことを定めた。知的財産を保護することを目的にしながら、有機JASやGAP認証など、県外や海外へのPR効果も期待される。

菊池水田ごぼう
 肌が白く曲がりが少ない。柔らかくあくが少ない。出荷期間が長く、期間をとおして品質、数量とも安定している点が市場関係者から高く評価。ごぼうの洗いやあく抜き作業に必要な大量の水を供給する多様な水源の存在に加え、水はけが良い土壌が必要となる。

つるたスチューベン
 糖度が18度以上と非常に甘い。房が大きく着粒数が多いが、一粒一粒が充実し房全体が良く締まっていることから貯蔵性が良い。収穫した10月から翌年の2月頃まで食味と鮮度を維持したまま出荷が可能で、市場では、年明け以降でも取引が行える数少ない国産ぶどうとして高値で取引される。青森県北津軽郡鶴田町はスチューベンが育成されたニューヨークと年間降水量や気温等の気象条件が似ている。また、栽培期間中の昼夜の寒暖差が8℃~10℃あることで、糖度が高くなる。地域独自の栽培方法である「津軽改良式仕立法」を確立するとともに、リンゴ栽培で培った経験を活かしたスチューベンの長期貯蔵技術の確立した。

小笹うるい
 うるい特有のぬめりが強く、シャキシャキとした食感。食用として好まれる茎の白い部分が一般的なうるいに比べて2割程度長い。光沢がある鮮やかな外観と食味の良さから市場での評価も高く、一般的なうるいに比べて高値で取り引きされている。山形県上山市東地区蔵王連峰の裾野に位置する中山間地域で、うるいが自生していた山中と気象条件が近似。火山灰を含み水はけが良いが適度に粘性がある土壌は、作土も深くうるいの栽培に適している。「小笹うるい」の苗を地域外へは持ち出さないことで生産農家の意思統一が図られてきたことから、現在もこの地域内のみに栽培が限定されている。

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2018.09.27
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