平成29年度農薬の使用に伴う事故は21件。そのほとんどが注意不足や誤飲など

農薬散布

 農水省は平成29年度に発生した農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について、農薬の使用に伴う人に対する事故や被害は、21件(うち死亡事故は1件)と発表した。

 原因としては農薬散布時におけるゴーグルやマスク等の装備不十分が最も多く、農薬を飲料として誤飲してしまったケースなど、注意不足や勘違いによるものとがほとんどであった。
下記が21件発生した事故の内訳とその要因。
・農薬の散布時にマスクなどの防護装備が不十分だった(6件)
・農薬をペットボトルやガラス瓶等の飲料品の空容器等に移し替えたり、食品と同じ場所で保管したりする等、不適切な保管管理であったため、誤飲した(6件)
・周辺住民等への農薬散布の周知、農薬の飛散防止対策が不十分だった(2件)

 農水省としては今後も農薬による事故が発生しないように注意喚起を促しており、具体的な対策としては以下の通り。
・農薬の調製又は散布を行うときは、農薬用マスク、保護メガネ等の防護装備を必ず着用する
・農薬やその希釈液、残渣等をペットボトル、ガラス瓶等の飲料品の空容器等に移し替えない
・住宅や公園等、人が住居し、滞在し、頻繁に訪れる施設の敷地及びこれらに近接する土地(以下、「住宅地等」という)の周辺では、耕種的防除や物理的防除など、農薬以外の防除方法を検討する
・住宅地等の周辺で農薬を使用する際は、散布の時間帯に最大限配慮するとともに、立て看板等により農薬散布中である旨をお知らせし、農薬散布者以外の者が、散布区域内に立ち入らないよう措置する
・不要になった農薬は、河川等に廃棄せず、廃棄物処理業者に処理を依頼する等適正に処理する

▶関連記事
2018.03.12
日本の残留農薬基準は本当に世界と比べて甘く危険なのか?

2017.08.09
ネオニコチノイド系農薬とミツバチと社会