農研機構は25日、酸味の少ない既存品種よりも早い時期に収穫できる酸味の少ないニホンスモモ新品種「ハニービート」を育成し、苗木を平成30年秋から販売する予定であると発表した。
「ハニービート」は糖度15度とソルダムより高く、酸度はpH4.4とソルダムやサマービートより少なく食味良く、収穫時期が7月上旬〜中旬と他の主要スモモと比較して収穫時期が早い。そのため他の品種として併用して生産することで、出荷時期をズラスことが可能。
ニホンスモモは大石早生すももとソルダムが2大品種となっていて、国内の生産面積の半分以上をこの2種が占めている。しかし、両品種とも酸味が強く近年生産面積が減少している。
一方で、酸味の少ない品種として太陽、貴陽、サマーエンジェルなどの品種が増えてきている。これらは7月の中旬以降に収穫できる品種で、それよりも早く収穫ができ、酸味の少ない品種の開発が求められていた。
そこで農研機構ではPP-26-6(ソルダム×オザークプレミ)と太陽を交雑することで、「ハニービート」を開発した。ハニービートは果実重が120g程度で糖度も15度となっている。また酸味もソルダム、サマーエンジェルよりも少なく更に7月上旬頃より収穫できること。また大石早生スモモ等に多く見られる「黒斑病」の発生も少ないことが特徴。
ただし、雨量が多くなると裂果が発生することがある。また自家不和合性のため受粉樹が必要で、貴陽や小松すももがそれに使用可能となる。
「ハニービート」の名前の由来は酸味が少なく甘いことから「ハニー」、黒斑病に強いことから「ビート(beat=撃退する)」ということから名付けられた。
今後は既存の酸味の少ない品種のいずれよりも早く収穫できることから酸味の少ない果実の流通期間を拡大する品種として普及が期待でき、特に早生から中生の品種の栽培比率の高い西南暖地での普及が期待される。
「ハニービート」の苗木は平成30年秋より販売される予定。
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