香川県における高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例の確認と対策

鶏の画像

 10日、香川県さぬき市の肉用鶏農場において、家畜伝染病である高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が確認された。これを受け、農林水産省は、同日、「農林水産省鳥インフルエンザ防疫対策本部」を開催し、今後の対応方針を決定した。
なお当該農場は、農家から通報があった時点から飼養家きん等の移動を自粛している。これまで家きん肉及び家きん卵を食べることにより、鳥インフルエンザウイルスが人に感染した事例は報告されていない。

農場の概要
所在地:香川県 さぬき市
飼養状況:肉用鶏(約10万羽)

経緯
(1)本日、香川県は、死亡肉用鶏が増加した旨の通報を受けて、当該農場に対し移動の自粛を要請するとともに農場への立入検査を実施。
(2)当該肉用鶏についてインフルエンザ簡易検査を実施し陽性。
(3)現在、当該肉用鶏について遺伝子検査を実施中。

今後の対応
 遺伝子検査結果を踏まえ、高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜であることが確定した場合、「高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針」等に基づき、以下の措置を実施する。

1.(1)当該農場の飼養家きんの殺処分及び埋却、
(2)農場から半径3km以内の区域について移動制限区域の設定、
(3)半径3kmから10km以内の区域について搬出制限区域の設定等必要な防疫措置を迅速かつ的確に実施。
2.移動制限区域内の農場について、速やかに発生状況確認検査を実施。
3.感染拡大防止のため、発生農場周辺の消毒を強化し、主要道路に消毒ポイントを設置。
4.食料・農業・農村政策審議会 家畜衛生部会 家きん疾病小委員会を開催し、防疫対策に必要な技術的助言を得る。
5.感染状況、感染経路等を正確に把握し、的確な防疫方針の検討を行えるようにするため、農林水産省及び農研機構 動物衛生研究部門の専門家を現地に派遣。
6.香川県の殺処分・埋却等の防疫措置を支援するため、必要に応じ、各地の動物検疫所、家畜改良センター等から「緊急支援チーム」を派遣。
7.疫学調査チームの派遣。
8.全都道府県に対し、本病の早期発見及び早期通報の徹底を改めて通知。
9.関係省庁と十分連携を図りつつ、生産者、消費者、流通業者等への正確な情報の提供に努める。

鳥インフルエンザ(とりインフルエンザ)
英語: Avian influenza, Avian flu, bird flu)
A型インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起きる鳥類の感染症。
今のところ一般の人に感染する危険性は極めて低い。