ブドウ果実のDNA品種識別技術を確立

 農研機構は、シャインマスカットを含むブドウ24品種の果実を対象にしたDNA分析による品種識別技術を確立したと発表した。ブドウ果実からのDNA品種識別が可能になったことで、育成者権侵害に対する抑止力としての効果が期待される。これまで「葉」のみを対象としていたブドウ品種識別サービスに「果実」が加わった。

農業・食品分野における知的財産の重要性が増す中、植物新品種は我が国農業の発展を支える重要な要素になっている。一方で、我が国で開発された優良品種の海外流出が相次いでおり、シャインマスカットを含むブドウの「果実」について、国内外での侵害対応が可能な実用的なDNA品種識別技術の確立が急務となっていた。

そこで農研機構は、シャインマスカットを含む24品種(シャインマスカット、巨峰、デラウェア、ピオーネなど、国内生産量の90%以上を占める)のブドウ果実について、国内外での育成者権侵害への対応が可能な実用的なDNA品種識別技術を確立し、ホームページ(以下URL)で公開した。

URL: http://www.naro.affrc.go.jp/collab/breed/hinshu_shikibetsu/index.html

今回、ブドウ果実からのDNA品種識別技術が確立し、また農研機構種苗管理センターにて行うDNA品種識別サービスの対象に果実が追加されたことで、国内及び海外からの侵害疑義果実の同定が可能となった。本技術は、育成者権侵害への抑止力としての効果が期待される。

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