2月5日農林水産省は、「2020年の農林水産物・食品の輸出実績」を取りまとめ、 2020年の農林水産物・食品の輸出額は、9,223億円となった2019年比では1.1%の増加、額では102億円の増加となり、8年連続で過去最高額を更新した。
農産物、林産物及び水産物それぞれの実績は以下のとおり。
農産物:6,565億円(対前年同期比 +11.7%)
林産物:381億円(対前年同期比 +2.8%)
水産物:2,277億円(対前年同期比 ▲20.8%)
コロナの影響を受け日本からの輸出全体が11%減少する中で鶏卵や米など家庭食産品の輸出が増加したことや、上半期は低迷した牛肉、日本酒の輸出量が下半期回復したことから2020年の農林水産物・食品の輸出量は着地が+1.1%となった。
品目別では、かつお・マグロの輸出金額が昨年比で+51億円、アルコール飲料が+49億円、鶏卵が+24億円と増加した。国別に見ると中国が+102億円、ベトナムが+83億円、台湾が+73億円、タイが+6億円と東南アジアへの増加が顕著であった。
一方で真珠が−253億円、帆立貝が−132億円、りんごが−38億円という減少し、国別では韓国が−90億円、アメリカが−50億円、オーストラリアが−10億円という減少であった。
農作物に絞ってみると昨年比で最も増加した品目が鶏卵で昨年比+107.4%、ぶどうが+29.1%、いちごが+24.8%となった。国別ではベトナムが+18.3%と増加率ではベトナムが最大となった。
日本の農林水産物・食品の輸出額目標は2025年に2兆円、2030年に5兆円を目標としている。2020年にはコロナという未曾有の状況ではあったものの国別にはコロナが収束、もしくは収束に近づいている国から経済活動が再開されており、中国やベトナムなどの国への輸出量増加が全体を押し上げる結果となった。今後コロナ収束に向け輸出額が更に伸長することが期待される。