有機農業を中心とした新ブランド「SHONAI ROOTS」立ち上げ

 山形県庄内地方で事業を通じて地域の課題を解決する街づくり会社 ヤマガタデザイン株式会社は地元JAと連携し、 有機農業等の新ブランド「SHONAI ROOTS(ショウナイルーツ)」を立ち上げたと発表した。

 山形県鶴岡市は、 東北で2番目の農業産出額を誇る農業王国であるが、 農業者の担い手不足が深刻な課題となっている。本ブランドは官民を挙げた人材育成・確保の取り組みの一貫として、 有機農産物等の付加価値の高い販売を実現する体制を構築し、 新規就農者の獲得及び、 地域農業者の所得向上を目指す。


 本ブランドはそうした取り組みの一環として、 有機農産物等の付加価値の高い販売を実現する体制を構築し、 新たな就農者の獲得と農業者の所得向上を目指す。 また、 販売益の一部は鶴岡市立農業経営者育成学校(SEADS)の運営経費に還元され、 地域で農業人材を育成する循環を創っていく。

解決する課題
 欧米先進国を中心とする世界の有機食品市場は既に10兆円を突破し、 約10%の高い成長となっている。 一方で国内に目を向けると、 求める消費者は確実に増えているものの、 有機農業自体の広がりは限定的になっている。 その要因としては、 有機農業に取り組む農家は個人で独自にブランディングや販路開拓を行う場合が多く、 その手間が非常に大きいため担い手が少ないことや、 まとまった生産者団体が少なく、 小売店が取り扱いをする上での最低取引ロットに届かないこと等があげられる。

得意分野をいかした役割分担
 上記の課題を地域全体の仕組みづくりで解決したいと考えている。 販売面ではヤマガタデザインとJAが連携し、 より付加価値をつけられる販路を開拓、 流通面ではJAが持つ物流網や代金決済機能等を利用することで、 農業者のコストと労力を減らし所得の向上を目指す。 鶴岡市のプロモーションに対する支援も活用しながら、 販路を拡大し消費者が購入しやすい販売チャネルを広げることで、 マーケット拡大を目指す。

取り組みの概要

1. 鶴岡市農業人材育成・確保プロジェクトの一環として新ブランドを立ち上げ
 有機農業等の付加価値の高い販売を実施していく
2. 有機JAS相当もしくは特別栽培の基準以上で栽培する農業者が、
 共通パッケージやJAの販売流通の仕組み、 ブランドの販路を利用可能
3. 収益の一部をSEADSの運営費として還元し、 農業人材を育成する
 地域の農業者(SEADS 卒業生を含む)の販路拡大と所得向上を目指す
4. YDは、 販路拡大やプロモーション、 出荷前の調整作業等を担当
5. JAは、 物流網や代金決済機能等及び販路拡大を担当
6. 鶴岡市は、 本ブランドのプロモーション支援を担当
7. 今後、 消費だけにとどまらない消費者との交流機会を創出

出荷基準及び賛同農業者の募集
「SHONAI ROOTS」のブランドは、 鶴岡市内で栽培した、 有機JAS相当もしくは特別栽培の以上の農作物が利用対象となります。 基準の詳細については、 12月を目処に公開する。その上で、 2020年春以降、 SEADSの入学と合わせて募集開始する見込み。

問い合わせは公式サイトより随時受け付けています。
【SHONAI ROOTS公式サイト】
https://shonai-roots.com/

販売予定と取り扱い小売店の募集
 本ブランドを活用した販路としては、 地元スーパーに加えて、 第一段階として有機野菜などの食品宅配専門スーパーや首都圏の生協との取引が確定している。 本ブランドでの農作物の販売開始は、 11月1日を予定している。 販売先によって実際の開始日は異なる。

消費者との関係構築
 今後はこの仕組みを通じて有機農業等を実践する農業者を増やし、 持続可能な農業を庄内から発信すると同時に、 農作物を購入する消費者が実際の生産現場に旅するアグリツーリズムの仕組みも構築し、 鶴岡の農業のPRにつなげていく。