極早生で露地栽培可能な食味良好な白肉のモモ新品種「ひめまるこ」

 農研機構は、極早生で食味良好な白肉のモモ新品種「ひめまるこ」を育成したと発表した。露地栽培での白肉モモの収穫期を従来品種より9日程度早められると期待される。「ひめまるこ」の苗木は令和2年秋から販売される予定。

 現在のモモ市場は、露地栽培された極早生の白肉品種「ちよひめ」と「はなよめ」の収穫が始まる6月中旬になると急に出荷量が増える傾向がある。月上旬までは生産コストのかかる施設栽培が中心で出荷量も少なく、卸売価格は高くなっている。そのため、比較的生産コストのかからない露地栽培で生産でき、6月上旬頃に収穫できる品種があれば、卸価格も高いため農家の所得向上が期待できる。
 そのような背景から農研機構では「ちよひめ」より2週間程度早く収穫できる黄肉品種「ひめこなつ」を開発したが、白肉品種の需要が高い現在のモモ市場では、白肉品種で露地栽培可能な早生品種の開発が求められていた。そこで農研機構は露地栽培が可能で、6月上旬にも収穫可能な白色品種「ひめまるこ」を開発したと発表した。

 1992年に品種登録された「紅国見」と黄肉品種「ひめこなつ」を交雑させてできた品種が「ひめまるこ」である。ひめまるこの収穫時期は生育地(茨城県つくば市)で6月上旬となり、「ちよひめ」より約9日早く収穫ができる。果実は170g程度やや小玉だが、糖度が15度、pHは4.9程度と早生品種としては食味も良好な品種となっている。さらに、裂果の発生が少ないため袋掛けも不要。

 今後、路地で栽培できる早生型の白色品種として生産され、高単価で取引される6月上旬で流通することで、農家の所得向上に寄与することが期待されるが、苗は2020年から販売を予定している。

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