いぶりがっこなど3品が地理的表示(GI)に登録

農林水産省は、8日、「東京しゃも」、「佐用もち大豆」及び「いぶりがっこ」を地理的表示(GI)として、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(地理的表示法)に基づき、登録(登録番号第77号から第79号)したと発表した。

 地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するもの。日本では平成27年6月1日「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が施行され、「地域ブランド産品」の品質を評価し、産品の名称である「地理的表示」を知的財産として保護していくことを定めた。知的財産を保護することを目的にしながら、有機JASやGAP認証など、県外や海外へのPR効果も期待される。

東京しゃも
 品種改良された純系軍鶏とロードアイランドレッドを交配し、更に純系軍鶏と戻し交配する(三元交配様式)ことで、軍鶏系統を75%引継ぎ、純系軍鶏に近い肉質を確保している。筋肉の発育が進み、身が引き締まり歯ごたえがある。 江戸時代から東京都周辺で飼養されていた軍鶏を系統選抜。昭和57年に純系軍鶏の肉質に近い交配様式を確立し、昭和59年に流通を開始。

佐用もち大豆
 グリシニン(タンパク質)含有量が多く、加熱するともちもちした食感を有する在来種の大豆。一般的な品種と比較すると大粒で約3割重く、ショ糖をはじめとした糖質含量が高く甘味が強い。大豆を専門に取り扱う流通業者からこれらの品質が高く評価されている。耕地は千種川水系の川砂が混ざった水はけの良い肥沃な土壌で大豆の生育に適している。また、登熟期に当たる9月から収穫される12月まで10度以上の昼夜の寒暖差が得られ、子実の肥大が良好である。地域では、種子専用ほ場を設け、原々種、原種、種子の厳格な管理を行い、品種固有の特性や形質、純度の維持に努めている。

いぶりがっこ
 パリパリとした食感、香ばしい燻しの香りと大根の甘みが一体となった独特の風味。野菜を燻して漬け物にした、日本のみならず世界でも希少な燻製食品。秋田県の特産食材として、県外での人気が高まり、全国的に野菜漬物の生産が減少する中、年々生産量を増加するなど、社会的評価が確立。根雪期間の長い秋田の冬の常備食として、県内において伝統的に生産されてきた。「いぶりがっこ」の名称は、秋田の方言「がっこ(漬け物)」を燻したものに由来する。大根の品質や気温、温度等に応じて火加減を調整し、全体を均一に燻す職人的な技術を地域で伝承。

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