タイ向けに日本産かんきつ類を輸出できる生産地域の追加

みかん

 8月31日は今までタイに輸出できる柑橘類は国内でも静岡県藤枝市、三重県熊野市、御浜町及び紀宝町内の一部地域のみが可能であったが、ここに福岡県八女市の一部生産地域も追加されたと発表した。タイへの柑橘類の輸出検疫において、ミカンバエが3年以上発生しないことが条件とされているが、同地域内において3年間のモニタリング調査を行った結果ミカンバエの発生が認められず、輸出可能となった。

 福岡県は全国でも10番以内に入る柑橘類の生産量が多い県となる。今まで静岡、三重県など東海地方の2県でしかタイへの輸出ができなかったが九州エリアでは初の事例となる。柑橘類の輸出において検疫項目にミカンバエが3年以上発生しないことが挙げられる。ミカンバエは体長1cmほどのハエで、果実に卵を産卵する。ミカンバエに卵を植え付けられた果実は徐々に黄色になり落下する。そうなると商品価値がなくなり出荷ができなくなるため、タイではミカンバエの侵入蔓延を防ぐため日本からの輸入を制限している。
 
 今回福岡の圃場内において、ミカンバエが3年以上発見されなかったことから、タイへの輸出が認められた。九州は中国、韓国、台湾やフィリピン、タイ、インドネシアなどにも近いことから東南アジアへの輸出という点において比較的有利な土地となる。またフィリピン、タイ等では甘い果物が好まれることから日本の温州みかんのように甘みが強い品種の輸出量拡大が期待される。