農水省は12日、平成28年度の食品ロス(本来食べられるにも関わらず捨てられた食品)の量は643万トンであったと発表した。その内訳は飲食店や小売店など食品関連事業者から352万トン、一般家庭からが291万トンという結果になった。
「食品ロス」については、平成27年9月に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)のターゲットの1つに、2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させることが盛り込まれるなど、近年、関心が高まっている。
日本においても、家庭系の食品ロスについては、循環型社会形成推進基本計画において、2030年までに2000年度比で半減させる目標が設定され、本日、事業系の食品ロスに関しても、食品ロス削減目標を含めた食品リサイクル法の基本方針が食料産業部会において答申された。
平成28年度には約643万トンであったと推計され、前年度より3万トン減少したものの、643万トンとは国連世界食糧計画(WFP)による食糧援助量(約320万トン)の約2倍に相当する量が食べられずに破棄されている。国民1人あたりで見てみると、年間1人当たりの食品ロス量は51kgとなり、これは年間1人当たりの米の消費量(約54kg)に相当する。
643万トンの食品ロスのうち飲食店や小売店などの食品関連事業者から発生する食品ロスは352万トンとなっている。製造・卸・小売事業者からは製造・流通・調理の過程で発生する規格外品、返品、売れ残りなどが食品ロスとなっている。特に外食事業者におけるでは宴会約14.2%、披露宴で12.2%の食品が食べ残しとしてロスになっているという結果になった。一般家庭から発生する食品ロスは291万トンとなっており、家庭から出る生ごみのうち10.3%が手つかず食品、13.6%が食べ残しとされている。
今後農水省では、関係省庁及び事業者等と協力して、より一層食品ロス削減のための取組を進めていく。