18日農水省は捕獲した野生のシカ及びイノシシを処理する食肉処理施設の認証を行う「国産ジビエ認証制度」を制定と発表した。この認定制度は食肉処理施設の衛生管理と消費者のジビエに対する安心の確保を図ることを目的としている。
現在、イノシシやシカなどの農業被害額は減少傾向にあるものの、平成28年度で被害額は172億円と、農村地区の衰退の一因となっている。一方で、鳥獣被害の中心となるイノシシ、シカの捕獲量は年々増加しており、捕獲したイノシシやシカをジビエ(食肉)として加工販売することで農産地区の所得向上に繋げる可能性も模索されている。
農水省をはじめ各省庁ではイノシシ等の捕獲経費支援や捕獲社育成のための支援などを行ってきた。その中で今回農水省は、ジビエの利用拡大に当たっては、消費者から信頼される食品であるために、流通するジビエの安全性の向上及び透明性の確保を図るために、食肉施設に対して認証制度を発布する制度を作成した。
この制度は、食肉処理施設の自主的な衛生管理等を推進するとともに、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図ることを目的とし、衛生管理基準及びカットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示によるトレーサビリティの確保等に適切に取り組む食肉処理施設の認証を行う。
現在、これら各省庁の支援策もあり鳥獣被害額は徐々に減少している。すなわちイノシシ、シカの捕獲件数が増えているということであるが、それら捕獲された動物たちが食肉として処理されずに廃棄されている自治体も少なくない。
そこには食肉処理施設の絶対的な不足と、ジビエ肉に対する衛生面に対する消費者の漠然な不安など様々な課題がある。そこで先ずはジビエの安全性をしっかり担保することでジビエ肉の流通拡大を促進するという狙いもある。認証制度が導入されたことによりジビエ肉の安全性が担保され、消費量が増え、鳥獣被害が減少することが今後期待される。
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