松館しぼり大根など新たに3品目が地理的表示(GI)に登録

松館しぼり大根

農水省は9日、新たに「松館しぼり大根」、「対州そば」、「山形セルリー」を地理的表示(GI)として、登録(登録番号第60号から第62号)したと発表した。

地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するもの。日本では平成27年6月1日「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が施行され、「地域ブランド産品」の品質を評価し、産品の名称である「地理的表示」を知的財産として保護していくことを定めた。知的財産を保護することを目的にしながら、有機JASやGAP認証など、県外や海外へのPR効果も期待される。

松館しぼり大根
 松館地区で伝統的に栽培されてきた在来の辛み大根。やや丸みを帯びたくさび形で、辛み大根としては大型。肉質が硬く貯蔵性が良い。絞り汁を薬味、付けダレ等として多様な料理に利用する。強い辛みを持つが、ショ糖含量が高いため、辛さだけでなく甘みも感じられる。市場では独特な風味を有する薬味用の大根として一般的な大根に比べ高値で取引。
 冬季の換金作物として100年以上前から作られたとされ、低温・凍結に強く、栽培期間中に割れにくい系統を選抜してきたことで、本種固有の形質を獲得した。

対州そば
 対馬は、そばが中国から朝鮮半島を経由して日本に伝播した経路上にあり、日本では最初に伝わった土地と考えられている。他地域のそばと交配する可能性の低い離島という立地条件の下で、島内生産者と行政による在来種の維持管理が行われてきた。
 対州(対馬国の別称)在来のそばで、他産地のそばと比べ、食味・風味に優れ、苦みを有するというそばの原種に近い特性を有し、また、小粒であるが、粒揃いが良く充実している。

山形セルリー
 山形市内に張り巡らされている山形五堰(水路)や蔵王山系の豊富な伏流水の汲み上げにより、セルリー栽培に必要な水を豊富に利用することが可能。生産者の努力の積み重ねによって、寒冷地である生産地の気象条件に合った採種や温度管理、施肥の手法を確立。良質なセルリーを継続して栽培し、東北随一のセルリー産地を形成。
 葉柄が太すぎず、成長しても繊維が柔らかく瑞々しくシャキシャキとした食感でえぐみ・苦みが少ない。長年にわたる個体選抜を行い特性を維持。