「2017年農業技術10大ニュース」の選定について

山とドローン

20日農水省は2017年の農業技術に関する10大ニュースを発表した。

TOPIC1[水田作]
ICTによる水田の自動給排水栓を開発 スマホでらくらく・かしこく水管理

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)は、水田の水管理をスマートフォンやPCでモニタリングしながら遠隔操作したり、自動で給水と排水を制御できる国内初のシステムを開発した。水管理労力の大幅な削減により、大規模農家のさらなる規模拡大や余剰労力を活かした6次産業化への取組に貢献し、所得向上が期待される。

農ledge内記事
2017.08.22
田んぼの水管理をICTで自動制御 労働時間を80%削減

TOPIC2[スマート農業]
自動運転田植機を開発 -田植作業の大幅省力化に期待

農研機構は、初心者でも熟練並みの田植え作業が可能な自動運転田植機を開発した。 独自開発の操舵システムにより、高速旋回と高精度直進作業を実現した。農繁期に必要となる人員を削減可能で、営農規模の拡大に寄与することが期待される。

TOPIC3[水田作]
イネいもち病菌の感染の要となる遺伝子を発見 -いもち病の新しい防除法の開発に期待

農研機構は、岩手生物工学研究センターと東京大学生物生産工学研究センターの協力で稲に感染するカビ「いもち病菌」から、感染の要となる遺伝子「RBF1」を発見。RBF1をもたない変異型いもち病菌は、稲の自己防御反応を抑制できないため感染できない。RBF1の働きを阻害する物質が見つかれば、新たないもち病防除法の開発につながると期待される。

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2017.10.17
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TOPIC4[地球環境]
ウェブで使える「全国デジタル土壌図」を公開

農研機構は、日本の国土全域の土壌の種類や分布がわかる「全国デジタル土壌図(縮尺20万分の1相当)」を作成した。併せて、改良版の「農耕地土壌図(縮尺5万分の1相当)」を作成し、ウェブ配信サイト「日本土壌インベントリー」を通じて提供した。農作物の栽培管理など農業での利用に加え、環境に関する行政施策への貢献が期待される。

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TOPIC5[食品機能性]
米粉100%パンの製造技術を開発 -補助材料なしでも、ふんわり、ふっくら

農研機構は、補助材料を使用せず基本原料だけで作製できる米粉100%パンを開発した。広島大学との共同研究により、微粒子型フォームの形成により膨らむメカニズムを明らかにした。タイガー魔法瓶株式会社との共同研究により本成果が実用化されるなど、小麦アレルギーへの対応や米の需要拡大への貢献が期待される。

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2017.06.14
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TOPIC6[育種]
受粉しなくても実がなるトマトをゲノム編集で開発 -DNAを切らずに書き換える新たなゲノム編集技術を作物に応用

筑波大学、神戸大学、名城大学は共同で、ゲノム編集技術を用い、受粉しなくても実がなる「単為結果性」を持つトマトを開発した。本成果には、神戸大が開発した新たなゲノム編集技術「Target-AID」が利用された。単為結果性トマトでは授粉作業や着果促進剤が不要となり、作業の効率化や低コスト化が期待される。

TOPIC7[スマート農業]
作業精度が高く高能率な軟弱野菜調製機を開発 -ホウレンソウの調製作業の省力化に期待

農研機構は、株式会社クボタ、株式会社斎藤農機製作所と共同で、ホウレンソウを対象とした高能率軟弱野菜調製機を開発した。現行機では4名作業が前提であったが、開発機では、2名作業でも連続した調製作業が可能となり、作業能率も現行機と比較して最大約1.5倍であった。本開発機により、調製作業の省力化が期待される。

TOPIC8[園芸]
キクに青い花色を付与する技術を開発 -新たな価値を生み出す青いキクによる花き産業の振興に期待

農研機構は、サントリーグローバルイノベーションセンターと共同で、「青いキク」の開発に成功。色素を修飾する2種類の遺伝子をキクに導入することで、花弁を青色にした。本成果により、花色のバリエーションが拡がり、キクの高付加価値化、新たな用途の提案が可能になり、花き産業の振興への貢献が期待される。

TOPIC9[スマート農業]
水田防除用ラジコンボートのロボット化 -手動では難しい遠隔操縦をロボットにより自動化

北海道大学は、自動運転が可能な水田防除用のボートロボットを開発した。開発機は従来の手動ラジコンボートと比較して、計画径路を高精度に水面滑走が可能であるため、ムラが少ない薬剤散布が可能である。高度な操縦技能が不要なため、防除作業の省力・省人化が期待される。

TOPIC10[スマート農業]
青切りタマネギの新省力収穫・調製体系を開発 -フレコン利用で人力による運搬が不要に

香川県農業試験場は、香川県中讃農業改良普及センター、株式会社ニシザワ、株式会社和田オートマチックスと共同で、青切りタマネギを省力的に収穫・調製する機械化体系を開発した。本技術を用いることで、収穫から調製に至る労力を手作業の半分程度に削減可能で、経営規模拡大が期待される。