【初心者向け】農ledge編集部が選ぶ、農業や農業ビジネスおすすめの本10選

おすすめの本10選

こんにちは。農ledge編集部です。普段農人のインタビューやニュース記事の作成などを行っています。
普段から勉強も兼ねて農業や農業ビジネスに関わる本も読んでおり、編集部内で書籍を共有しています。そこで今回農業や農業ビジネスに少し興味があるけど、実際農業や農業ビジネスのことを良く知らないという人、いわば農業に興味はあるけど初心者という方に向けて編集部内で人気のあった書籍11選をご紹介します。

農業の現状を知る
・キレイゴトぬきの農業論(久松達央)
・JAが変われば日本の農業は強くなる(杉浦宣彦)
・日本は世界5位の農業大国(浅川 芳裕)

学術的な側面から農業を知る
・農業経済学(荏開津典生)
・アグリベンチャー(境新一)

農業界を引っ張る会社を知る
・ライフ・イズ・ベジタブル(高島宏平)
・マイファーム荒れ地からの挑戦(西辻一真)
・99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る(岩佐大輝)
・儲かる農業(嶋崎秀樹)

新しい農業ビジネスを知る
・半農半Xの種を播く(塩見直紀)

農業の現状を知る

田植え体験
農業の実情は意外とイメージが先行してしまっていて、実はかなり誤解されていることも多々あります。そこでこの3冊を読むと今農業界の置かれているリアルな状況や、誤解していたこと、可能性を知ることができます。

キレイゴトぬきの農業論 (新潮新書)
著者の久松さんは自身も茨城県で農家をしていらっしゃる方で、理論だけでなく経験に裏付けされた農業のリアルが書かれています。特に第1章では自身で有機農業をしつつも、必ずしも有機農業全てが安全ではないと語っています。
世の中では有機農業=安心安全という神話に近いイメージがありますが、必ずしもそうでないという事実とその裏付けを説明しています。その他、流通している野菜のことや福島原発の爆発事故によって農家に何が起きたかについて書かれています。農業ビジネスだけでなく今自分たちが食べている野菜についてより知りたいという方にもおすすめの1冊です。

JAが変われば日本の農業は強くなる (ディスカヴァー携書)
農業に関心のある方の集まりや、農家さんの集まりに行くとJAに対する批判や悪口などを聞くことも多々あります。しかし、我々はそんなJAという組織がどのような仕事をしていて、どのような組織であるのかあまり分かっていません。この本は今のJAの組織図から、仕事内容について説明があり、その上で今後のJAに期待することが書かれています。そのため農業ビジネスに興味がありJAに変わるサービスを展開したいと思っている方、JAという組織について知りたいという方におすすめの1冊です。

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)
農業は衰退産業?年々下がる食料自給率。メディアで言われる農業に関するニュースは少しネガティブなものが多いです。しかし、タイトル通り日本が世界第5位の農業大国であることはあまり知られていません。そして食料自給率という指標を用いている国は日本くらいで、その計算方法を知ると食料自給率を高めることが日本の農業産業を伸ばすことになるのか?ということや、今問題と言われている農業界の課題が少しネジ曲がって世の中に発信されているということが分かります。何かとネガティブなイメージの多い農業界ですが、それは少し偏った見方であるということを知る上でおすすめの1冊です。

学術的な側面から農業を知る

学術的な知見
実際に行われている農業ビジネスの領域だけでなく学術的に農業のことを整理して知識をインプットすることにおすすめの本をご紹介します。

農業経済学 第3版 (岩波テキストブックス)
この本は大学の農学部や農業経済学科でも教科書として採用されている本です。学術的な本ではあるため、内容はやや難しくなっていますが、経済発展と農業生産がどのような関係値になっているのか?というような基礎的な知識を学ぶことができます。またこれから農業や農業ビジネスについて学ぼうと思っている方で、どうしても専門的な用語が出てきて分からないという方にとって、それら基礎的な用語や考え方についてもまとめられています。

アグリ・ベンチャー
昨今の農業ブームや以前から続き起業ブームの中で農業(アグリ)ベンチャーにどのような可能性があり、農業界のどの部分にアプローチをしていくと良いのか?ということについて書かれています。具体的なビジネスモデルの構築ということではありませんが、アグリビジネスを立ち上げていくまでの背景的な知識、考え方についてまとめられています。これからアグリベンチャーを起ち上げたい、就職したいという方には現状を知るという意味ではおすすめの1冊です。

農業界を引っ張る会社を知る

打ち合わせの様子
今の農業界に新しい風を吹き込ませている農業系企業の代表たちが書かれた本です。どのようなビジョンを持って会社を経営しているのかというスピットの話や当時の苦労話まで赤裸々に語られています。

ライフ・イズ・ベジタブル―オイシックス創業で学んだ仕事に夢中になる8つのヒント
今年に入り、大地を守る会と経営統合し新たにオイシックスドット大地となったオイシックスを創業した高島氏の著書です。当時は野菜をインターネットで購入するという文化などありませんでした。しかしその中でオイシックスがその市場を切り開き、昨今の野菜をネットで購入販売するということが当たり前になった礎を築いた企業ではないでしょうか?そんなオイシックスの高島さんが会社を起ち上げた時に金策で苦労したこと、深夜畑の隅の倉庫で梱包したこと、発注の電話を取り合いになったことなどの苦労話から今も続き農家オブザイヤーの表彰など、会社のスピリッツなどまで知ることが出来ます。

マイファーム 荒地からの挑戦: 農と人をつなぐビジネスで社会を変える
今でこそ畑の一部を借りて、10坪程度の小さな畑で週末農業をするというlifestyleが一般化してきていますが、その礎を作ったのがこのマイファームではないでしょうか?マイファームは耕作放棄地の問題にフィーチャーし耕作放棄を開梱して少しずついろんな方に間貸しするというビジネスからスタートしています。似たようなサービスを提供する企業や自治体も増えてきた中で、どのようにスタートして今の規模にまでなったのか?当時の苦労話や会社立ち上げ時の話、代表の西辻さんが脱サラした時の話など当時のリアルが書かれています。

99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る
ミガキイチゴという1粒1000円もするイチゴをご存知でしょうか?岩佐さんはGRAという生産法人でイチゴの生産をしています。今までイチゴの生産は農家さんの経験値に基づく「カン」を頼りに生産されてきましたが、それをデータ化しその今のミガキイチゴを生産しています。ただ生産だけでなくそのノウハウを世の中に広める展開もしており、ITを駆使した生産法人です。しかしそのGRAの起ち上げは東北大震災のあと、なんとか復興に1約買おうということからはじまっており、今のITという技術だけでなく岩佐さんの東北に対する熱い想いと共に語られています。胸の熱くなる1冊です。

儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)
有限会社トップリバーという日本でも有数の生産法人の代表である嶋崎さんの著書です。儲からないというイメージのある農業だがやりかた1つで儲かる産業に変わる、そんなノウハウやトップリバーの取り組みが書かれています。その中で印象的なのは「野菜を多く出荷したらボリュームディスカウントはおかしい。野菜は安定して多く作るのが難しいのだから量を増やすなら価格を上げる」という話です。そのような常識やイメージに囚われない農業論について書かれています。どちらかというと農家さんや生産者さんにおすすめの1冊です。

新しい農業ビジネスを知る

生産だけでなく新しい農業のかたちについて模索、工夫している話のまとまった農業の本です。泥臭い農業のイメージですが新しい考え方でとても現代的で先進的な産業であるとイメージが変わります。

半農半Xの種を播く
農業と別のビジネスを組み合わせるとで、農業をより儲かるビジネスに変える、農業と普通の仕事ダブルインカムで稼ぐという話から、農業が身近にあるlifestyleということで実際にそのような生活をしている方について書かれています。半農半Xの考え方は以前からありますが、昨今の働き方改革が騒がれるなかで、先進的な働き方といえるのではないでしょうか?丁寧な生活とはまた違うリアルな生活について説明があり、田舎移住、新規就農を考えている方におすすめの1冊です。

以上編集部が選ぶ10選です。どれもおすすめの1冊で先ずは読んで欲しいと思える本ばかりです。
今回はこれから農業のことや農業ビジネスのことを勉強していきたいという方、初心者におすすめの本を10冊選んでご紹介しました。これからもいろいろなカテゴリ、角度からおすすめの本をご紹介したいと思います。引き続き農ledgeをよろしくお願いします。