世界かんがい施設遺跡に松原用水など新たに4ヶ所が登録

通潤橋の画像

 農水省は11日、国際かんがい排水委員会(ICID)がメキシコシティーで開催された第68回国際執行理事会において、ICID日本国内委員会が世界かんがい施設遺産候補として申請した4施設を世界かんがい施設遺産として登録することを決定したと発表した。

 今回、世界かんがい施設遺産として登録されたのは下記の4施設
①土淵堰(どえんぜき)(青森県弘前市、つがる市、藤崎町、板柳町、鶴田町)
②那須疏水(なすそすい)(栃木県那須塩原市)
③松原用水・牟呂用水(まつばらようすい・むろようすい)(愛知県豊橋市、豊川市、新城市)
④小田井用水路(おだいようすいろ)(和歌山県橋本市、かつらぎ町、紀の川市、岩出市)

 世界かんがい施設遺跡とは、建設から100年以上の歴史を持ち、かんがいの歴史、発展を明らかにし、保全をするために国際かんがい排水委員会(ICID)が認証を行う施設のこと。世界かんがい施設遺跡への登録には施設管理者より、ICID日本国内委員会に申請され、そこからICIDに申請をすることで審査の上、登録が認められる。日本の世界かんがい施設遺跡への登録には農水省が中心となって推進をしており、「灌漑」という漢字表記ではなく「かんがい」とひらがな表記が正式としている。
 ここでのかんがい施設とは、ダム、ため池、分水施設、水路、排水施設、古い水車などが該当する。日本では福岡県の山田堰や三連水車、熊本県の通潤橋など全国27ヶ所が指定されており、今回新たに4ヶ所が追加され31ヶ所となる。世界かんがい施設遺跡の登録数は日本が最も多い。

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