農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の価格見通し(平成29年9月)について、主産地等から聞き取りを行いその結果を公表した。
8月は長雨と日照不足が続き、ナス、ピーマン、トマトなどの果菜類やネギの価格が上昇した。9月も8月の天候不順の影響を受け一部の野菜で価格の上昇が見込まれる。一方で昨年9月同じく長雨と日射量不足で大きな影響を受けた北海道産のニンジンとタマネギだが、北海道地域は天候に恵まれたことと、昨年高単価で推移したこともあり昨年比では安価となる見通しだが、実際は例年並となる。
主な野菜の価格推移見通しは以下の通り
▶価格上昇が見込まれる野菜
キュウリ・ピーマン・サトイモ
キュウリのこの時期の主な生産地である福島、群馬、岩手では日射量が不足し、果実の肥大化が遅れ9月中旬までは価格が昨年よりも上回る見込み。このまま天候が回復すれば9月中旬以降には価格が昨年並になると予想。
この時期のピーマンは茨城と岩手で約70%以上が生産されるが、キュウリと同じく日射量不足で肥大化が遅れ9月中旬までは価格が上昇する見通しとなった。
サトイモは7月の干ばつが影響し千葉県の生育が抑制され、例年より小玉で出荷されることもあり、昨年以上の価格で推移する見通し。サトイモに至っては9月下旬まで高価格帯で推移すると予想される。
▶価格下落が予想される野菜
ニンジン・タマネギ
この時期ニンジン、タマネギは共に90%以上が北海道で生産されており、北海道地域の天候が良かったことから豊作となり価格は平年よりも安価で推移する見通し。
聞き取り調査対象となった14種類の野菜
だいこん、にんじん、はくさい、きゃべつ、ほうれん草、ねぎ、レタス、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、ばれいしょ、さといも、たまねぎ
ここ数年天候不順により、野菜の価格変動が大きくなっていることを受け、農水省は平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から野菜の生育状況や卸価格の聞き取りを行い公表している。
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