農水省は11日、輸入小麦の政府売渡価格を前期から2.2%値上げし、1tあたり55,560円とすると発表した。米国及び豪州の一部地域の乾燥による減収懸念等から小麦の国際価格が上昇したこと、燃料油価格の影響により海上運賃が上昇したことが影響したとのこと。
国内生産される小麦のほとんどは民間業者によって取引をされているが、国内での需要を国産小麦で賄うことをできず、流通量の約9割を輸入に頼っている。輸入小麦の場合、政府貿易として主に、アメリカ、カナダ、オーストラリアから一度政府が買い付けを行い、そのあと民間の製粉企業に流通をさせている。
政府からの売渡価格(湾岸諸経費含む)は輸入価格にマークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした金額によって決められる。この価格は4月と10月の年2回改定が行われ、前期の価格推移を鑑みて価格が決定される。
今回(10月期)の価格改定では、5銘柄の価格が1トンあたり54,370円から55,560円と2.2%の値上げとなった。これはアメリカ、オーストラリ
アの一部地域で乾燥により生産者の減収が懸念されたことにより小麦の国際価格が上昇したこと、また燃料油の価格上昇により値上げとなった。平成28年4月期から5期連続での値上がりとなる。
農水省の試算によると、今回の小麦の値上がりにより消費者への影響はほとんどないとされている。具体的には食パンは1斤あたり0.1円、うどんは1杯あたり0.4円、家庭用小麦は1kgあたり3.8円のコスト増となる。そのため、日々の小麦の消費生活に大きな影響はないとされる。
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2017.09.06
輸入小麦の政府売渡価格が約3.6%上昇