Society5.0の実現に向けたスマートアグリの集積地「新富アグリバレー」プロジェクトが始動

 一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(宮崎県児湯郡新富町、 代表理事:齋藤潤一、 以下こゆ財団という)は、 新富町を世界の食糧難や農業課題の解決をはかるスマート農業の集積地とする「新富アグリバレー」プロジェクトを2019年8月1日に開始したと発表した。

 これは、 児湯郡新富町で事業を展開する地域商社こゆ財団が、 新富町役場、 町内農家らとの協力のもと、 農家の所得向上を実現し、 100年先まで持続可能な地域の農業を確立するプロジェクト。 新富町とこゆ財団は、 「新富アグリバレー」の構想に共感する農業およびAI・IoT関連ベンチャー10社と連携。 各社は新富町商店街付近の空き店舗を改修した同名の拠点施設に入居し、 スマート農業に関する共同研究・開発を進めていく。

 こゆ財団では、 Society5.0の実現に向け、 「新富アグリバレー構想」に共感するパートナーと共にスマート農業の担い手となる人材も育成。 2025年をめどに上場企業を生み出し、 世界の農業課題の解決に取り組む。

■特徴:民間と協働。 農業ベンチャーと農家や行政、 地域商社との理想的な連携を実現
「新富アグリバレー」は、 これまで高い技術力や革新的なアイデアを持ちながら、 環境面や連携面に関して課題を抱えている農業およびAI・IoT関連ベンチャーに、 新富町役場や地域商社「こゆ財団」、 地域の若手農家らが実用化に向けた最適な環境とコミュニティを提供する革新的なプロジェクト。

1.農家との連携
新技術の研究開発には、 いち早く実用性を検証するプロトタイプが不可欠。 新富町はコンパクトな規模の中に畑作から水稲、 施設園芸、 路地栽培、 果樹栽培、 畜産・酪農と多様な農環境が揃っており、 新技術の導入に関心のある農家も点在しています。 農業ベンチャーは、 いち早く実証実験に取り組める環境が揃っている。

2.自治体との連携
農家との連携には自治体の理解と協力が必須。 新富町では、 中間支援団体であるこゆ財団が役場と企業との関係構築をコーディネートしており、 制度の活用や農地利用などの協力を得やすくなっている。

3.地域商社との連携
こゆ財団は、 新富町役場が出資して2017年4月に設立した地域商社。 ふるさと納税運営を通じて町内の農家とネットワークを築いているほか、 若手農家や農業ベンチャー、 教育機関らが集まったスマートアグリ研究チーム「儲かる農業研究会」を主宰するなど、 町内外に幅広いネットワークを有している。

 また、 同名の拠点施設が2019年10月6日(日)にオープン。 施設は空き店舗を利活用したコワーキングスペースとなっていて、 入居企業が共用するミーティングルーム、 個室ワークスペースを併設し、 FREE Wi-Fiや3Dプリンターなどを完備。 入居企業は、 農家、 自治体、 地域商社およびそのネットワークを活用し、 スピーディーに共創・協働を進めることが可能。

<新富アグリバレー 施設概要>
住所:宮崎県児湯郡新富町富田1-47-1
入居:10社
設備:ミーティングルーム、 個室ワークスペース、 FREE Wi-Fi、 3Dプリンターなど
料金:入会金0円(ブース会員 月額50,000円~)

■背景:新富町はスマート農業の研究開発に最適な環境・コミュニティが提供可能

 Society 5.0で実現する社会は、 IoTで全ての人とモノがつながり、 様々な知識や情報が共有され、 今までにない新たな価値が生み出される。 農業においても、 Society 5.0で農作業の自動化や配送の省力化・省人化が進み、 食品の増産やロス削減の実現につながる。

これを可能にするには、 AI・IoTの研究開発に最適な環境とコミュニティが不可欠。

 宮崎県の農業産出額は全国5位の3,246億円(H20)で、 は温暖多照な気象条件を活かした農業が盛ん。 なかでも新富町は、 山間部から平野部に至る起伏に富んだ地形を生かした多様な農業が行われており、 農業も畑作から水稲、 施設園芸、 路地栽培、 果樹栽培、 畜産、 酪農と多彩。 加えて宮崎空港からのアクセスも、 車で30~40分程度と至便。 新富町役場や、 ふるさと納税を通じて農産物の販路開拓を進める地域商社「こゆ財団」、 若手農家、 農業ベンチャーが集積している。

 こゆ財団ではこの環境とコミュニティを生かし、 2018年6月に活動を開始したスマート農業研究チーム「儲かる農業研究会」で、 農業ベンチャーや高専と連携。 AIやIoTを活用した選果機やスマートグラス、 自動収穫機の共同開発がすでに進行中。これは、 研究開発に最適な環境を求めている農業ベンチャーにとって、 理想的な環境であり、「新富アグリバレー」では新富町へ農業ベンチャーの集積を進め、 イノベーションを加速していく。

■今後の展望:地域経営の手段としてスマート農業にフォーカス。 2019年10月上旬には拠点施設オープン

 こゆ財団では、 持続可能な地域の実現に向けて、 地域自らが稼ぐ手段としてスマート農業に可能性を見出していく。 今後も「地方から東京へ」ではなく、 「地方から世界へ」を基本方針とし、 スマート農業を地域経営の手段として活用していく考え。

 拠点施設「新富アグリバレー」は、 2019年10月上旬に新富町内にオープン予定。 また、 オープンまでの8月~9月にかけては、 東京開催のイベントでスマート農業に関する最新の知見を発信します。 8月30日(金)には、 農産物直送ECサイト「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンの秋元里奈氏、 農業機械の研究開発を進める東京大学大学院准教授の海津裕氏をゲストに迎える。

<スマート農業関連イベント(8月)>
スマート農業サミット2019
日時:8月30日(金)19:30~21:30
会場:C-Lounge(東京都千代田区)
【問】こゆ財団 TEL0983-32-1082

 また、 こゆ財団は、 11月10日(日)に新富町内でイベント「新富アグリバレーサミット2019」を開催。 ここでは地域商社、 農業ベンチャー、 農業関連機関のキーマンによって最先端の知見が得られるほか、 学生を対象とした農業ビジネスプランコンテストも併催。 次世代の人材育成にもつなげていく。

新富アグリバレーサミット2019
日時:2019年11月10日(日)10時~17時
会場:新富アグリバレー(※1)
内容:全国のスマートアグリのスタートアップ及び高専生が集結し、 ビジネスプランコンテストを開催
料金:無料

<ふるさと納税寄附額を2年間で約5倍に伸ばした地域商社「こゆ財団」>
 2017年4月に宮崎県児湯郡新富町が旧観光協会を法人化して設立した地域商社。 「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンのもと、 1粒1,000円のライチに代表される農産物のブランディングを通じて『特産品販売』を行い、 得られた利益で『人財育成』に投資している。 ふるさと納税では、 設立前の2016年度が4.3億円だった寄附額を、 2017年度に9.3億円、 2018年度には19億円まで伸ばすことに成功した。

法人名:一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
所在地:宮崎県児湯郡新富町富田東2-1-1 チャレンジフィールド
代 表:代表理事 齋藤 潤一
▶︎こゆ財団HP: https://koyu.miyazaki.jp
▶︎こゆ財団FB: https://www.facebook.com/koyu.miyazaki/
▶︎こゆ財団ふるさと納税ページ: https://www.furusato-tax.jp/city/product/45402

▶関連記事
2019.06.04
地域おこし協力隊がスマート農業の担い手に。AIやIoTを活用した観光農園プロジェクトがスタート

2019.01.15
「儲かる農業」の情報を発信。農業次世代人財の獲得と育成へ