地域おこし協力隊がスマート農業の担い手に。AIやIoTを活用した観光農園プロジェクトがスタート

 一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(宮崎県児湯郡新富町、 代表理事:齋藤潤一、 以下こゆ財団という)は、 「食と農のシリコンバレープロジェクト」第一弾として、 AIやIoTを駆使したイチゴの観光農園をスタートする。地域おこし協力隊として2019年4月から着任した人材が担い手となり、 地域商社こゆ財団が市場開拓や人材および技術的な課題解決を支援。 新富町を世界中から就農希望者や研究者、 教育者が集まるスマート農業の先進地としていく。

■特徴:地域おこし協力隊が担い手。 スマート農業実践チームも支援
 「食と農のシリコンバレープロジェクト」は、 農業が主産業である宮崎県新富町において、 AIやIoTを使って儲かる農業を実現するとともに、 農業の経験の有無に関わらず人材が自立し、 ビジネスを生み出すことを目標す。
 この中核を担うのが、 2019年4月に着任した地域おこし協力隊だ。 再生医療の研究開発に携わる中で、 フルーツの美容および健康効能の研究に将来の市場成長性を見出し、 新富町に移住。 観光農園を立ち上げに向けて、 準備を進めていく。観光農園の生産品目はイチゴに設定。 最先端の食育やスマート農業が学べる場としていく計画。

■背景:町内にスマート農業の先進農家。 研究会が2018年から活動中
 少子高齢化に伴う人手不足に直面している農業分野では、 スマート農業に寄せる期待は小さくない。 ドローンなどによる自動運転農機の普及から環境制御、 モニタリング、 生産・販売管理にいたるまで、 AIやIoTを活用した自動化と効率化、 省人化が積極的に図られている。 市場も堅調に伸びており、 2025年には120億円以上に拡大するとの予測も出ている。
 主たる産業が農業である宮崎県新富町では、 ピーマンやトマト、 キュウリといった作物が盛んに栽培されているが、 その生産環境を見える化し、 生産の効率化や品質向上にデータを活用する先進的な農家が10年以上前から事業を続けてきた。
 その農家を中心として、 スマート農業を実践する若手農家チーム「儲かる農業研究会」が2018年6月に発足。 農業の経営分析サービスをクラウドで提供するベンチャー企業や、 学生にスマート農業の研究機会を提供したいとする高等専門学校も参画し、 新富町を舞台に共同研究を進めている。 この活動は2019年4月30日付の日本農業新聞1面にも掲載され、 大きな話題となっている。地域おこし協力隊を中心とする「食と農のシリコンバレープロジェクト」は、 こうした環境のもとで実践するもの。

■将来の展望:地域の食育とスマート農業確立につなげる
 イチゴ農園は2019年中にIoTを活用した生産体制を整備し、 イチゴの観光農園を準備。 2020年1月から営業をスタートし、 収穫や販売に取り組む。 また、 収穫を終える2020年5月以降はイチゴの健康効能の分析や研究を進め、 得られたデータを活用した健康食品の開発も行う。プロジェクトを手がける地域おこし協力隊員の岩本脩成さんは「農業未経験者でも、 先端技術を導入、 活用することで、 売れるものを生産することができる。 それが地域において新規就農者を増やすきっかけとなり、 結果的に地域活性化につながれば。 そういう事例となれるようやっていきたい」と決意を語る。

<地方創生優良事例にも選出された地域商社「こゆ財団」>
 2017年4月に宮崎県児湯郡新富町が旧観光協会を法人化して設立した地域商社です。 「世界一チャレンジしやすいまち」というビジョンのもと、 1粒1,000円のライチに代表される農産物のブランディングを通じて『特産品販売』を行い、 得られた利益で『人財育成』に投資している。 2018年11月には内閣府・内閣官房から地方創生の優良事例に選出。 首相官邸で事例発表の機会をいただいた。
*メディア掲載事例:月刊事業構想/月刊ソトコト/Forbes JAPAN/日経新聞 ほか

法人名:一般財団法人こゆ地域づくり推進機構
所在地:宮崎県児湯郡新富町富田東2-1-1 チャレンジフィールド
代 表:代表理事 齋藤 潤一
▶︎こゆ財団HP: https://koyu.miyazaki.jp
▶︎こゆ財団FB: https://www.facebook.com/koyu.miyazaki/
▶︎こゆ財団ふるさと納税ページ: https://www.furusato-tax.jp/city/product/45402

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