12日農研機構は高温下でも着色がしっかり、樹上で軟化しにくいリンゴの新品種「紅みのり」を発表した。「紅みのり」は早生型品種「つがる」よりも2習慣ほど早く収穫できる。
早生型のリンゴは気温の高い時期に収穫することから着色不良が生じやすいことが生産地では課題となっている。更に近年の地球温暖化の影響もあり、着色不良がより発生しやすい状況になってきている。また早生型品種として多く生産されている「つがる」は近年の地球温暖化の影響もあり、収穫時期に果肉が軟化しすぎて、消費者の嗜好性に合わず商品製の低下が課題になっている。そのような背景を受け、高温時でも着色不良を起こさず、かつ果肉が軟化しない新品種の開発が求められていた。
そこで農研気候は「つがる」と「ガラ」を交配し育成した品種で、つがるよりも収穫時期は2週間ほど早い。果実の重さは300g程度で「つがる」と同程度でさびも発生しにくい。
糖度は13~14%前後、酸度は0.3g/100ml程度であり、甘味と酸味のバランスが良く、食味良好となっており、果肉の硬さは15~16ポンドで早生品種としては硬く、適期に収穫した果実で比較すると、「つがる」よりも5日程度日持ちが優れることが特徴となっている。
今後は果実成熟期の気温が上昇しても、安定して良好な果皮着色と果実品質が見込めることから、リンゴ生産者の経営安定に貢献するものと期待される。特に、早生品種「つがる」の品質低下が問題となっている東北地方南部以南のリンゴ産地を中心に普及が見込まれる。