3月の野菜価格予想。2月に引き続き葉物野菜が高騰、下旬には例年並になる見通し

雪に埋もれる大根

 2月28日、農水省は東京都中央卸売市場に出荷される野菜の価格見通し(平成30年3月)について、主産地等から聞き取りを行いその結果を公表した。10月の長雨と台風、12月の低温、1月の降雪による収穫の遅延などの影響を受けてキャベツ、ハクサイ、レタスなどの葉物野菜を中心に価格が2月に引き続き高騰する見込みとなった。また合わせて高騰の続いているだいこん、にんじんも3月中旬過ぎまでは今の価格帯で推移する予想。

価格高騰が予想される野菜
だいこん、にんじん、はくさい、キャベツ、レタス

だいこん
 神奈川県及び千葉県での10月中下旬の長雨や千葉県での10月の台風に伴う塩害、生育期間を通じた低温により生育が低下し、平年よりも小ぶりとなった。このため、2月の出荷数量は平年を大きく下回り、価格は平年を大きく上回って推移。神奈川県及び千葉県において、低温により11月以降播種されたものの生育が低下しているため、3月も出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。なお、ほ場に残っている量は平年並みであるため、気温が平年並みに戻れば、3月後半にかけて、出荷数量、価格ともに回復傾向となることが見込まれる

にんじん
 千葉県での10月の長雨及び日照不足により、生育が低下し、平年よりも小ぶりとなったため、2月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。また、出荷が前倒しとなり、ほ場に残っている量が平年よりも少ない。千葉県において、ほ場に残っている量が平年よりも少ないことから、出荷数量が少ない状態が続くため、3月前半も価格は平年を上回る見込み。後続の産地である徳島県において、生育が平年並みであるため、3月後半は出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。

はくさい
 茨城県での10月中下旬の長雨や生育期間を通じた低温により生育が低下し、小玉傾向となったため、2月の出荷数量は平年を大きく下回り、価格は平年を大きく上回って推移。また、出荷が前倒しとなり、ほ場に残っている量が平年よりも少ない。茨城県及び兵庫県において、ほ場に残っている量が平年よりも少ないことから、出荷数量が少ない状態が続くため、3月も価格は平年を上回る見込み。

キャベツ
 愛知県での10月中下旬の長雨や、千葉県での10月の台風に伴う風害に加えて、生育期間を通じた低温により生育が低下し、小玉傾向となったため、2月の出荷数量は平年を大きく下回り、価格は平年を大きく上回って推移。愛知県、千葉県及び神奈川県において、低温により11月以降定植されたものの生育が低下しているため、3月も出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。

レタス
 茨城県、静岡県及び香川県での生育期間を通じた低温により生育が低下し、小玉傾向となったため、2月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。茨城県、静岡県及び香川県において、低温の影響が残り、生育及び出荷数量は平年を下回って推移するため、3月前半も価格は平年を上回って推移する見込み。3月後半は、気温が平年並みに戻れば、生育及び出荷数量は平年並みに回復することが見込まれるため、価格は平年並みに戻る見込み。

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