平成30年度の農作物鳥獣被害額は158億円と6年連続減少

 農林水産省は、平成30年度の野生鳥獣による農作物被害状況について、都道府県からの報告を基にして、全国の被害状況を取りまとめた。調査の結果によると平成30年度の農作物被害については、被害金額が約158億円で前年度に比べ約6億円減少した。被害面積は約5万2千haで前年度に比べ約1千ha減少(対前年3%減)、被害量が約49万6千tで前年に比べ約2万1千t増加(対前年4%増)している。

 獣別で見てみると農作物被害額の約34%はシカとなっており、平成30年度は約54億円であった。平成28,29年度と比較しても被害額、被害面積においてはほぼ横ばいで推移している。2番目に多いのはイノシシで全体の約29%をイノシシが占めているが、イノシシによる被害額は年々減少している。
 農業被害の約6割はシカとイノシシによるものであるが、電気柵などの対策が普及していることと、環境省の調査によればシカとイノシシの個体数が減少傾向にあることから、被害額も少しずつではあるが減少傾向となった。

 環境省の調査によれば、シカ、イノシシは減少傾向になるものの、目標とする数値(農業被害を基準にするものではなく生態系への影響をベースに算出)にはまだ達しておらず、今後も捕獲数を増やしていく必要性があるとしている。

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2017.06.09
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