農水省は東京都中央卸売市場に出荷される野菜の価格見通し(令和5年10月)について、主産地等から聞き取りを行いその結果を公表した。例年と比較して、ジャガイモ、レタスが例年より安価になる見込みとなり、一方、ダイコン、ニンジン、ネギ、トマトが例年より高値で流通する見込み。
平年より安価で取引される見込みとなる野菜
ジャガイモ、レタス
ジャガイモ
北海道産は生育期にあたる4~6月の気候が安定していたため生育が良好であり、10月の出荷量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込み。
レタス
長野県産中心から、茨城県産中心の出荷へと切り替わる。茨城県産は高温の影響による小玉傾向や定植の遅れが発生しているが、大幅な出荷量の減少とはならない見込み。長野県産は気温高の影響により生育が前進しており、10月中旬に切り上がりが早まる見込み。全体として、10月前半の出荷数量は平年を上回り、価格は平年を下回って推移する見込み。また、10月後半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
平年より高値で取引される見込みとなる野菜
ダイコン、ニンジン、ネギ、トマト
ダイコン
北海道産・青森県産に加え、千葉県産の出荷が増加する。主産道県において、8月から9月中旬にかけての高温等の影響により細物傾向や歩留まりの低下がみられ、全体として、10月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
ニンジン
北海道産は8月から9月中旬にかけての高温等の影響による細物傾向に加え、9月以降の降雨による歩留まりの低下がみられ、出荷数量は平年を下回って推移する見込み。全体として、10月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
ネギ
秋田県産・青森県産は、8月中旬以降の高温・干ばつの影響により細物傾向や生育の遅延傾向がみられ、出荷数量は平年を下回って推移する見込み。北海道産の生育は概ね順調。全体として、10月の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。
トマト
主産道県において、8月中旬から9月中旬の高温の影響により着果不良や歩留まりの低下がみられ、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込み。一方、10月後半には、気温の低下に伴う生育の回復が見込まれることや、例年10月下旬から出荷数量が増加する熊本県産の生育が順調であることから、10月後半の出荷数量は平年並みに回復し、価格は平年並みで推移する見込み。