17日、農研機構次世代作物開発研究センターは、新品種「ミルキーオータム」を育成したと発表した。ミルキーオータムは収穫時期がミルキークイーンより遅いため、同系統品種早生のミルキーサマー、ミルキークイーンと3種合わせて昨期分散が可能になる。
農研機構が開発した低アミロース米水稲品種「ミルキークイーン」は、米飯の粘りが強く冷めても硬くならず良食味であることが市場で高く評価されている。しかしミルキークイーンはコシヒカリの当然変異種であり、熟期がコシヒカリと同じことから、昨期競合が全国で広がっていたという背景があった。
そこで、農研機構ではミルキークイーン、コシヒカリと熟期が異なり、熟期が遅い「ミルキーオータム」を開発した。また農研機構では平成21年に「ミルキークイーン」より熟期の早い早生型「ミルキーサマー」を開発しており、これら3種を組み合わせることで昨期の分散が可能となる。
「ミルキーオータム」は、冷めても固くならないというコシヒカリ種としての特徴を有しており、食味としては「上中」となる。ただし、コシヒカリ同様いもち病抵抗性が弱いので、適正な防除が必要となる。また耐倒伏性が不十分なので、多肥は避けるとともに、縞葉枯病に弱いため、常発地での栽培は避ける必要がある。
今後は数年後にミルキーオータムが関東以西で年間100ha以上生産されることを目指すという。
▼ミルキークイーン3姉妹の出穂期と成熟期の差