「農家や家族に感謝を!」 グランプリシェフが農業高校で授業 校内で育てた野菜を使い、お手軽フレンチを伝授

料理教室の様子

ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド(代表取締役:関 寛之 所在地:神戸市中央区)総料理長の田中 耕太郎が2017年10月5日(木)、篠山東雲高校(篠山市福住)で地域農業科2、3年生12人を対象に、授業を行った。校内で生徒が作った地元特産の黒枝豆やトマト、バターナッツカボチャなどを使い、料理になじみのない人でも簡単に作れる「お手軽フレンチ」の調理方法を指導。

ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドは、08年11月の開業以来、1年を5シーズンに分け、総料理長が自ら兵庫の五国を巡って食材を探す地産地消のグルメフェア「兵庫のテロワール“五国の味めぐり”」を開催している。9月より開催中の「丹波フェア」では、地域に密着した農業分野での活躍が全国から脚光を浴びる同校の生徒が丹精して育てた農産物に注目。同校産の野菜を使ったメニューを考案したことをきっかけに、「安心安全な野菜を提供してくれる生徒たちに感謝の気持ちを伝えたい」と、訪問授業の開催を申し出て実現に至ったとのこと。

2015年11月に開かれた楽天トラベル「朝ごはんフェスティバル®2015」で、同ホテルを優勝に導いた田中が常に大事にしているのは、「感謝」の気持ち。この日は、「料理に挑戦し、家族に振る舞ってあげて」と、短い時間で簡単に作れるフレンチのレシピを指導。生徒らは、協力し合いながら野菜を切ったり、鶏肉を煮込んだりし、「バターナッツカボチャのクリームスープ」「但農どりのトマト煮込み 黒大豆枝豆のリゾットと共に」の計2品を調理。お待ちかねの試食会も楽むことができた。

授業の最後には、「農家の協力がなくては、お客様においしい料理を振る舞うことはできない。農業の大変さを知っている皆さんたちだからこそ、料理が食べられること、農家や家族へ感謝の気持ちを忘れないようにしてほしい」と生徒たちに呼びかけると、真剣な表情で聞き入ってていた。自分たちが作った野菜がホテルのお客様から高評価を受けていることを聞いた生徒たちには笑顔が広がり、「短時間で本格的な料理を作ることができて驚いた。家でもチャレンジしてみたい」と話す。
今後も、ホテルコンセプトのキュイジーヌ・テロワール(地産地消)をテーマに、生産者と交流を重ねながら、兵庫ならではの旬の味わいを尊重した取り組みを展開していく予定。

<兵庫県立篠山東雲(ささやましののめ)高校>
高校
兵庫県篠山市福住にある全校生徒83名の学校で、学校理念は「愛郷 愛農の志 こゝに生きる」。農業教育の特質を活かし、地域に貢献できる心豊かな人材の育成を目指す。市内の空き家周辺で問題となっている放置竹林を伐採し、竹のパウダーを牛や鶏の飼料に混ぜて悪臭を抑える研究は、全国で注目されている。食と健康をテーマに農業ビジネスプランを発表する「大地の力コンペ2017」の学生枠では、最優秀賞に当たるグランプリを獲得。

 

 

田中 耕太郎 [ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド 総料理長]
田中 耕太郎
1981年ミシュラン三ツ星レストラン「アラン・シャペル」にて上柿元 勝氏に師事。1991年ハウステンボスホテルズに入社し、副料理長、料理長職を歴任。在籍中にオランダ アムステルダムの「ホテルアムステルインターコンチネンタル」にて1年間実務研修を重ねる。2005年鹿児島山形屋グループ(株)クーダイニングに入社し、上柿元 勝氏プロデュースによる、フレンチレストラン「ミディソレイユ」及び「ポルトカーサ」の総料理長を務める。2014年にホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド統括料理長に就任し、現在は総料理長を務める。2015年楽天トラベル「朝ごはんフェスティバル®2015」において、ラ・スイートを優勝に導く。社団法人日本エスコフィエ協会会員。トックブランシュ国際倶楽部会員。

 

 

<関連URL>
▽兵庫のテロワール~五国の味めぐり~「丹波フェア」
https://www.l-s.jp/event/detail.php?id=1027