10月(後半)の野菜価格予想。9月に続き台風の影響を受け例年より高めに推移

秋野菜

 10月16日、農水省は東京都中央卸売市場に出荷される野菜の価格見通し(平成30年10月後半)について、主産地等から聞き取りを行いその結果を公表した。台風24号や9月の長雨、日照不足の影響を受け、出荷量が例年より少なく、市場で取引されている野菜の多くが例年より高値で取引される見通しとなっている。

例年より高値で取引される見込みの野菜
だいこん、にんじん、はくさい、キャベツ、ほうれん草、ネギ、レタス、ナス、トマト、サトイモ

だいこん
 北海道及び青森県において、生育が平年並みであるものの、後続の産地である千葉県において、台風第24号に伴う塩害の発生により、生育の低下が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。

にんじん
 北海道において、6月下旬から7月上旬にかけての長雨に加えて、7月中下旬の高温、干ばつに伴う生育の低下により、小ぶりとなったため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。

はくさい
 9月の長雨により、長野県において傷みが発生し、また、茨城県において、生育が遅延したため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。茨城県において、天候の回復に伴い、生育が回復傾向であるものの、長野県において、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。

キャベツ
 群馬県及び茨城県において、生育が平年並みであるものの、千葉県において、台風第24号に伴う塩害の発生により、生育の低下が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。

ほうれん草
 群馬県、茨城県及び栃木県において、9月の日照不足に伴う生育の低下により、細身傾向となり、また、台風第24号に伴う葉の損傷等が生じたため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。10月後半も、出荷数量が少ない状況が続く見込み。

ねぎ
 青森県及び秋田県において、生育が平年並みであるものの、北海道において、6月下旬から7月上旬にかけての長雨により、定植できなかったほ場があり、作付けが減少。また、北海道において、10月上旬の降雨により、収穫作業が遅延。これらのことから、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。北海道において、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。

レタス
 茨城県での9月の長雨に伴う生育遅延や、台風第24号に伴う葉の損傷に加えて、長野県での9月の長雨に伴う傷みの発生により、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。

ナス
 高知県、栃木県及び群馬県において、9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、10月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移。高知県において、天候の回復に伴い、生育が回復傾向であるものの、栃木県及び群馬県において、10月後半も出荷数量が少ない状況が続く見込み。

トマト
 千葉県及び茨城県において、9月の日照不足に伴う落花の発生により、着果数量が減少したため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。

サトイモ
 埼玉県において、生育が平年並みであるものの、千葉県において、7月の高温、干ばつや台風第24号に伴う風害等より生育が低下し、小玉での出荷が見込まれるため、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回る見込み。 

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