住友商事株式会社(本社:東京都中央区、 代表取締役 社長執行役員 CEO:兵頭誠之、 以下「住友商事」)は、 農業分野における社会課題の解決と国内農業の国際的競争力の向上を目的に、 『水稲生産用先端農業システムのパッケージ型提案』を本格的に開始すると発表した。
日本の農業就業者は高齢者(65歳以上)が6割を超え、 農業人口は後継者不足を理由に年々減少している。 離農が進行する中、 既存農家が耕作地を引き継ぐかたちでの集約化や、 新規就農者(法人含む)による大型化などが進んでいる。 新規就農のハードルを下げる様々な取り組みが進められている一方で、 離農する農家にて長年培われたノウハウが継承されない危惧もあり、 国内農業分野における社会課題となっている。
住友商事は、 この社会課題解決に向けた取り組みとして、 ドローンやIoTなどの先端農業技術を駆使したスマート農業の拡大をサポートすることが重要であると考えている。 様々な先端技術を個別に提案することに留まらず、 複数の技術を有機的に組み合わせることで、 農業の現場事情に即し、 最適でわかりやすく、 簡単に操作できる先端農業システムをパッケージ化して提案していく。 具体的には、 ドローンによる農薬散布・生育監視・播種や、 水位センサーと通信システムによる遠隔水位管理などを基幹技術とし、 農機の効率的運用や農業経営の見える化を促進するデータ管理システム(農業会計含む)のパッケージ化も目指す。
近年の世界的日本食ブームを背景に、 日本の農作物ブランドへの需要は海外でも着実に拡大基調にある。 日本の農産物を海外で拡販するためには、 今後さらなる国内農業の国際的競争力が求められます。 日本の基幹農作物である水稲の生産現場においてスマート農業の広がりをサポートしていくことは、 先端技術を用いることによる価格競争力の向上だけでなく、 安心・安全で高品質を担保するトレーサビリティの向上にも繋がると期待されており、 国内農業の国際的競争力の向上に資する取り組みと考えている。
日本の水稲は、 長い年月をかけ品種改良されながら地域特有の生産ノウハウも蓄積され、 今や日本の文化として世界で評価される優れた食味を有するに至った。 住友商事は、 『農業を変える、 創っていく』という思いを込め、 先端技術を最適でわかりやすいシステムとしてパッケージ化することで、 米作りのノウハウを未来に繋ぐ貢献をしていく。
■住友商事のマテリアリティ(重要課題)
住友商事グループは『社会とともに持続的に成長するための6つのマテリアリティ(重要課題)』を、 事業戦略の策定や個々のビジネスの意思決定プロセスにおける重要な要素と位置付け、 事業活動を通じて課題を解決することで持続的な成長を図っていきます。 本事業は、 特に「地球環境との共生」「地域と産業の発展への貢献」「快適で心躍る暮らしの基盤づくり」「多様なアクセスの構築」に資する事業。