農人No.1 七草農園 石橋千賀良さんインタビュー

1、生い立ち

1991年、東京生れ、東京育ち。潮風が吹くような街で育ち、潮風を浴びると落ち着く。
小学生2年生の時は、福島県で親が建てた家で、週末だけ家庭菜園をやっていた。
元々、小さい時から野山で遊ぶのが好きで、中学生の時の夢は、カウボーイ、F1レーサーになることだった。
そんな中で、もし、ホームレスになったら、どうすれば生きていけるのかをふと考えるようになった。
そこで、自分で自給自足できたら生きていく中で困らないのではないかと思い、その頃から、自給自足に興味を持ち始めた。
自給自足するにあたって、電気の自給方法を知りたいと思い、理系の高校へ進学。
高校で水素発酵技術を知り、燃料電池などへの応用も勉強するようになった。
大学は東京農業大学へ進み、水素菌を中心に学んだ。

2、今、していること

・将来の夢への準備
今は農業の下積みで足場を作っている状態。

・農業で工夫していること
固定種を積極的に作っている。
固定種はF1種に比べ、発芽の揃い・生育の揃いが悪いが、種の自家採取が可能なので、持続可能な強い農業が実践できる。
多品目を栽培して、常に食べ物がある状態を維持している。
希少種で食味の良いものを作っている。この手法だと採算が合わないので作らないが、こだわりがあり作っている。
商品作物を作っている(繊維などの食べれない農作物も栽培している。)

・出荷しているもの
多品目野菜。(おくら、ししとう、かぼちゃ、きゅうり、ヤーコン、小松菜、ほうれん草、かぶ、ナスなど。80種類以上に及ぶ。)

3、これからの夢

・死ぬ瞬間に「俺らしい人生だなと思って一人ほくそ笑んで」死ねる!

・物理的に豊かな集団を作りたい!

・農業の3Kのイメージを変えたい!
例えば、農業は映画のおしんで出てくるような農業の汚くて、重労働で儲からないというイメージがあるが、実際はもっと心も物も豊かな生活ができるということを伝えたい。
今の農家は独立経営している部品にしか過ぎない。
例えば、JAの規格に合わせて、野菜を育てており、お客さん自身も形に対して、口うるさい人が多すぎる。
それによって、いろいろな制約に農家が縛られ過ぎている。だから、本当に良いもの美味しいものを届けることができない。
なので、私は今後、もっと豊かな楽しい本物の農園を目指したい!と思っています。
具体的な方法に関しては、現在、実践・研究中です。
また、多くの人に自給自足も勧めていきたいと思っています。

4、農業界について

・現状、日本の食糧の自給率は40%くらいで、しかも種は外国から買っている状態。
権利もアメリカから買っており、ほとんど種は自給していない状態になってしまっている。
雄性不稔(ゆうせいふねん)という、一代限りの、つまり次の世代を残せない種を毎年買わなければ農産物を生産できないのが日本の現状。
もちろん、収量が安定する、食味が良いなどのメリットはあるが!
日本はただ、外国から種や肥料などの資材を仕入れて加工しているだけの「工場」に過ぎない。

・自分は現代の農業のやり方などを鵜呑みにしないようにしている。
今のやり方をそのまま鵜呑みにするのではなく、機械が無かった時代の話を聞いたり、古文書を読んだり、もろに自然に生かされていた時代の農業、つまり昔の農業やその成り立ち、根幹を知り、それを知った上で自分の考えで農業のやり方を考えていきたいと思っています。
また現代人は、日本人が自然とどう向き合ってきたか、どう生きてきたか、その過去を知らない人が多すぎるので、もっと知ってもらいたいと思っています。そうすることで、これからの農業や生き方をしっかり考えられるものと考えています。

七草農園(instagram):https://www.instagram.com/nanakusanouen

石橋千賀良さん(facebook): https://www.facebook.com/profile.php?id=100004307136987